睡眠&メンヘルサーチ

睡眠とストレスの関係やそれに関連する精神疾患や障害をいろいろな角度から掘り下げます。

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50年も入院って?

数十年も入院ってどういうこと?

精神科病院で入院設備のある全国の病院で50年(!)以上入院している方が全国で1800人近くいるそうです。厚生労働省(監督官庁)は地域への移行を進めているようですが地域への移行がなかなかうまくいかずに病院に入れられて人生の大半を過ごしている方も多いようです。20年以上入院の方も全国で約25000人いるそうです。(出典:国立精神・神経医療研究センター)以下は新聞からの抜粋です。

鹿児島市の病院に55年間入院している女性(80)が新聞の取材に応じた。統合失調症を患い25歳で入院。両親らは亡くなり、今は身寄りもない。「退院してもおるところがない」。力なくつぶやいた。ドアが施錠された閉鎖病棟の3階。15畳ほどの8人部屋の奥で、女性はベッドに横たわっていた。青のTシャツにカーキ色のズボン姿。窓からは光が差し込むが、外へ出られないよう金属製の囲いが設けられている。

病院によると、女性は市内の高校を卒業後、短大に進んだが中退。その後はいろいろ職を転々としていたらしい。1962年末に統合失調症の症状があり、この病院に入ることになった。

午前4時に目を覚まし、一日のほとんどを横になって過ごす。歯がなく、おかゆなどを食べている。睡眠薬を服用し、午後8時には眠りにつく。「幻聴が起きるのがつらい」「頭を切り替えられた時が楽しい」記者の問いかけに対して少ない言葉で答えた。

10年以上前に、唯一の肉親だった弟が一度病院を訪ねてきたことがあったが、会話は片言程度で終わったという。その弟も他界した。「外で生活したいとは思わない。病院がいい、外はいやだ」。顔をしかめた。

女性は自らの意思で病院に入る「任意入院」。病院での生活費は障害基礎年金が充てられているという。「長期入院の患者を退院させようとしても両親が亡くなっていて、親戚も『関わりたくない』といったケースが多い。グループホームなどの受け皿は多くなく、1人暮らしさせるにも保証人がいない」。女性が入院する病院の事務長は、こう明かした。

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国民皆保険はいいけど

わが国では50年以上にわたって「国民皆保険」が保たれてきました。(すべての国民がいずれかの健康保険に加入しなければならない仕組み)国民の健康には大きく貢献していると思っていますが一方で病院や診療所に行きやすい故の副作用もあります。

昔1970年代~1982年まで高齢者の医療費を無料化にしたのです。(現在よりは高齢者の方々の数は少なかったはず)健康な人が増えるだけならよかったのですが過剰ともいえる医療行為が野放し状態になり、その一つが上記の記事でもある「社会的入院」というものです。

入院の長期化が問題になり当時の厚生省が都道府県ごとに人口当たりの病院ベット数を規制することにしました。しかし「駆け込み需要」で逆に20万床も増えてしまいました。病院側にとっても入院患者が増えれば経営がよくなるということで公的扶助受給者ならとりっぱぐれもないということで過剰な入院患者が多数出る原因になりました。入院ではないですが特に精神疾患に対して安易にクスリを出すというのも「?」とは思います。あと必要のない検査とか・・・(コレも近年改善はされているようですが)

現在はどうなのか?

入院に関しては一定の日数以上入院していると診療報酬が半減するようになりました。(ただし勿論ですが例外もあります。また、まだ入院が必要なのに無理から退院させられる場合があるというのは気のせい?)規模の大きな病院では地域のクリニックや診療所の紹介状が無いと通常の初診料とは別途3000~5000円(税抜き)を払わなければならないというのも普通になってきているようです。クスリにしても院外処方で外部薬局の薬剤師のチェックを加えることでクスリの重複や無駄を防ぐようになっているようです。患者側からしたら正直めんどくさいだけですが・・・

ジェネリック医薬品もお国の後押しで急速に普及しています。現在公的扶助受給者は事実上強制的にジェネリック医薬品処方となっており(薬局が得る報酬があまり変わらない例もあるのはおいといて)それはそれで一部問題になっているようです。(ジェネリック医薬品の問題点などについては後日別の記事にします。)

電子カルテ導入もお国の号令なのですが不正な処方などを見つけやすく?するためらしいです。特に生活保護受給者など公的扶助受給者の場合は全額公費負担なのでかなり締め付けが厳しくなっているようです。指定取り消しになればその分病院などの収入も減るのでジェネリック医薬品の件ともども渋々応じているというのが実態のようです。

病院から地域へ?

というお題目の下で近年いろいろな施設が出来てきています。ただ主体は地方自治体がメインですのでどうしても地域格差は出ます。特に精神障害で顕著です。
例:政令指定市:(精神障害手帳ありで)市営交通が無料(いわゆる福祉パス)
人口が少ない地方部:県内のバスのみ半額(地方につき地下鉄なんか無い)障害者割引にしても身体や知的の割引はあっても精神の割引は無い交通事業者はいまだに多いです。

通所型施設、訓練型施設、入所型などさまざまあります。ただ精神科ユーザーから聞かれるのが「病院から施設に監視の目が移っただけで真の自由なんか無い」というものです。病院では当然看護師や医師の管理下ですし施設にしても職員の管理下になりますので嫌がる方も多いです。

世間一般からみれば「好き勝手させない」という思考が強く働いているのかな?とも思います。各種施設にしても職員の管理下になるので当事者からしてみれば
「病院から施設職員に監視の目が移っただけ」
「リーダー格お局職員が理不尽な事ばかり言う」
「(実現不可能なのに)○○できるとか平気ででたらめな話をする」とまあ評判はよくないようです。

とある自治体(市)では近年まで精神障害者のための施設がほぼ無く隣接の市などへ通所する方も多くいたようです。どうしても何らかの理由で住む場所が無い、(上記で上げた施設に)通所する場所が無いとなると入所をあきらめるか何らかの形で引っ越しをするかになってしまいます。

おことわり

この記事に関しましては非常に根が深い問題ですので後日追記するか別に記事を上げるかする予定です。気長にお待ちいただければと思います。

また上記の記事はあくまでも執筆者個人の見解や感想であり障害当事者やそのご家族、病院や医療関係者などを批判したり逆に宣伝したりするものではありません。またこの記事と状況が変わっている可能性もありますので最新の情報に関しましてはお手数ですがお客さまご自身でご確認をお願いします。

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