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コレって何の病気?
炎症性腸疾患(以下IBDと表記)に分類される潰瘍性大腸炎は、持続する炎症が大腸に生じる病気で、大腸の粘膜に潰瘍やびらん(ただれ)ができてしまいます。腹痛や下痢(しかも1日に数十回もトイレに駆け込んだり間に合わなくてお漏らし状態になるという事も聞きます)、血便、体重減少などの症状が現われ、一度、発症してしまうと、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
最初は、炎症は直腸に起こることが多いのですが次第に広がり、特に小児患者では、大半で大腸全体に炎症が広がることが知られています。治療が不十分で病気が進行すると、大量に出血したり、腸管が破れるなど、重篤な状態になることがあります。
現在のところ、潰瘍性大腸炎の原因は分かっていませんが、本来外敵に対して働く免疫システムが、自分の大腸を異常に攻撃している状態といわれています。発症する患者さんの数は年々増加しており、15歳から35歳頃に診断されることが多いのですが、乳幼児期を含む小児期に発症することも珍しくありません。小児期発症のクローン病であっても、成人患者さんと同様の検査や治療を行うことになりますが、小児特有の留意点も少なくなく特に成長期までの小児患者さんでは、小児IBD診療に精通した施設での診療が望まれます。
検査方法
血液検査や便検査などに加えて様々な画像検査を組み合わせることで、総合的に潰瘍性大腸炎の病状を把握します。特に、炎症の範囲や程度を調べるためには、内視鏡検査で粘膜の状態を観察することが大切です。
乳幼児では、安全性に配慮して全身麻酔下で内視鏡検査を行うことが多いのですが、学童期以降の年長児では、点滴からの鎮静剤・鎮痛剤を適切に使うことで、眠っている間に苦痛を最小限にして検査を行っています。また、従来の内視鏡検査では観察が難しかった小腸に対しても、小腸カプセル内視鏡やダブルバルーン小腸内視鏡を使い、クローン病との鑑別をはじめ精度の高い診療を行っている病院もあります。
さらに、近年の遺伝子診療技術の進歩に伴い、子どものIBDの中に腸炎を起こす遺伝病が隠れていることが分かってきました。その中には薬物療法ではなく骨髄移植によって腸炎が治る病気もあります。大きな専門病院ですと、遺伝病としてのIBDの診断と治療にも力を入れており、保険診療および臨床研究として遺伝学的検査を行い、他の診療科や研究所などと連携して診療ができる体制を整えているところもあります。
治療など
潰瘍性大腸炎による下痢や血便をコントロールするには、治療が不可欠です。もし治療をしないでいると、大量出血や強い腹痛に苦しみ、時に手術を要したり、生命の危機に及ぶ状態になることもあります。
現在のところ、潰瘍性大腸炎を根治させることはできません。しかし、治療によって、良い状態(寛解と言います)を保つことで、多くの場合、学校生活(授業や修学旅行など)や課外活動、また社会生活などに積極的に取り組むことができます。
寛解を保つためには、適切な治療を継続することがとても大切ですが、特に育ち盛りの子どもたちにとって、治療を日々続けていくことは簡単なことではありません。治療を続けるためには、患者さま自身が一つ一つの治療の意味を理解することも重要だと考えています。
薬物療法について
IBDは指定難病で、その患者数も年々増加していることから、新しい研究や薬の開発が盛んに行われています。治療効果の高い薬や在宅自己注射製剤などの出現によって、IBDの患者さんの生活の質(QOL)は確実に向上しています。一方で、使用方法を誤ると重大な副作用を引き起す薬も多くあります。ですので症状に合わせて薬を投与し、効果があればその薬を使い続けるのが基本になります。標的とする物質も異なるので現在では複数の薬があります。
またクスリ以外の治療法として、血球成分除去療法」というのがあり、血液をいったん体外に出し、炎症を引き起こす白血球などの特定の血液成分を装置で取り除いてから体内に戻すものや「顆粒球除去療法(GCAP)」というものもあります。(一般的な人口透析と似たようなものです)重症の場合、大腸を摘出して代わりに小腸の一部を袋状にして肛門に縫い合わせる方法などがあり、研究が進んでいるものとして健康な人の便から取った腸内細菌を患者に移植する「便移植」などもあります。
追記
令和3年4月下旬時点で、安倍前首相の上記の病気治療がほぼ完了したそうです。難病ですので長い期間、下手すれば一生付き合わなければいけない病気ですが快方に向かいなによりです。
出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センターのHPやニュースサイトから抜粋。
おことわり
この内容はあくまでも病気や医療に関する情報を提供しているものですので個人の皆様のご病気やそのほか症状に関することは医療機関などにご相談される事をおすすめします。なにとぞご了承ください。
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