睡眠&メンヘルサーチ

睡眠とストレスの関係やそれに関連する精神疾患や障害をいろいろな角度から掘り下げます。

病院・病気 障害者福祉

閉鎖病棟って何ですか?

そもそもどんな場所???

精神科病院などで、病棟の出入り口が常時施錠され、病院職員に解錠を依頼しない限り(依頼してもなかなか解錠してくれないというのは別のお話)入院患者や面会者が自由に出入りできないという構造を有する病棟です。

よく混同されるのが鉄格子やパイプで仕切られた部屋と部屋は普通の病室で他のフロアに勝手に行けない部屋(詳しくは下記を参照してください。)とがごっちゃになって理解されている場合があります。まあそんなとこ入ったことも無い方が大半ですから仕方ないんですが。下記はあくまでも原則的な事項を記したものになります。文字数が多くなりそうなので実態的なものとか不平不満や体験談的なものは別の記事にします。

どういう人が入れられる?

閉鎖病棟への入院患者は、原則として精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく措置入院や医療保護入院などにより、強制的な入院形態で入院するものとされています。このため、任意入院の患者は、原則として開放病棟に入院するものとなってます。

ただし、不安が強い場合などで特に希望があるような場合は任意入院でも閉鎖病棟への入院が可能です。(そんなところ好んで入る人いるの?)また、病床数が少ない病院の精神科の場合は閉鎖病棟しかない場合もあり、その場合は予め患者の同意を得た上で入院することとなるようです。

閉鎖病棟だと簡単には外も歩けない?

閉鎖病棟の入院患者の外出の可否は病院や病棟によりまちまちです。患者に個別に単独での外出を認める病院は、病状が安定しつつある患者に対してであっても少ないようです。外出中に事故が生じた場合に責任追及されることを恐れて一切認めないとしているところがほとんどです。一時外出の際に事件を起こすこともあり、また、家族同伴での外出の場合は「自分をこんな場所に入院させた家族」に対しての怒りを外出時にあらわにする(分かり易く言えば怒り爆発)こともあるため、病院・家族にとっても、任意入院ではない閉鎖病棟の患者の「外出」には慎重にならざるを得ないのが現状です。

以下は精神科病院全般に言えますがケータイやスマホ、パソコンなど持ち込みが禁止の病院も多いです。特に精神科に多い気がするのは気のせいかな?また精神科特有の例として、刃物の使用が厳しく制限されている例が大半です。カミソリはもとより爪切りや電気シェーバーのたぐいも看護師付き添いでないと使用できない病院が多いです。その他家電製品も持ち込めない事が多いです。(なんとコードで首つり?する例があるらしい)

理不尽極まりない!

その他の問題として、病院内の規則はすべて公私立問わず病院の裁量で決められていて、なかには、閉鎖病棟の入院患者、またはその家族から「患者の所持金を預かる金庫代、または「口座管理費」として1日数千円以上を患者や家族に請求するなど、法外かつ患者にとっても理不尽な規則が多く存在する病院もあります。

なおこの手の事を書きだすと、とても1回では書ききれないので数回に分けて記事にしようと思います。

また患者が自らの環境の改善を訴えることでさらに、「まだ病院に慣れていないようだ」「まだ落ち着いていないようだ」「反抗的だ」と医師に判断されてしまうことも多々あり、健康で文化的な最低限の生活を送れないようなケースもあるそうですが、そのような場合には、弁護士などに、法的な面で病院の環境に問題がないかなどを相談するのもありかと思います。

保護室って?

精神科病棟には保護室(または隔離室)と呼ばれる個室があります。保護室は内側に「ドアノブのない」出入口、ベッドまたは毛布、便器くらいしかないです。患者がトイレを詰まらせることのないよう水を流すレバーやボタンは保護室外側の前室にあるか、保護室内部から流せられなくする設定にできるところもあるそうです。というか看護師を呼ばないと流せないところがほとんどです。

また保護室の外側には観察室があり、複数の保護室を外側からガラスや鉄格子越しに患者を観察できるようになっている。また観察室から食事トレイなどを入れることができる小さな窓が付いています。
∴コレって刑務所の独居房と変わんないかひどい?刑務所でさえトイレは自分で流せるのに。

保護室に入室した患者に対しては医師は少なくとも1日1回の診察が求められ、定期的な観察も必要であります。 また保護室に入院している患者であっても信書の発受の制限・入院処遇に対して不服を訴える機関(都道府県の精神医療審査会など)や人権擁護に関する職員(弁護士など)との電話や面会を制限することはできないことになっている。(コレも実際に出来る出来ないは別のお話)

隔離って?(精神科の場合)

精神科入院患者に対する行動制限の一つとして「隔離」があります。隔離というのは厚生労働省告示第129号の定義により「内側から患者本人の意思によっては出ることができない部屋の中へ一人だけ入室させることにより当該患者を他の患者から遮断する行動の制限をいい、12時間を超えるものに限る。」と定められています。対象となる患者は、主として次のような場合に該当すると認められる患者であり、隔離以外によい代替方法がない場合において行われるものとされています。(医師のさじ加減で変わる変わらないは別のお話)下記は厚生労働省HPからの抜粋にうp主で加筆したものになります。

ア 他の患者との人間関係を著しく損なうおそれがある等、その言動が患者の病状の経過や予後に著しく悪く影響する場合
イ 自殺企図又は自傷行為が切迫している場合
ウ 他の患者に対する暴力行為や著しい迷惑行為、器物破損行為が認められ、他の方法ではこれを防ぎきれない場合
エ 急性精神運動興奮等のため、不穏、多動、爆発性などが目立ち、一般の精神病室では医療又は保護を図ることが著しく困難な場合
オ 身体的合併症を有する患者について、検査及び処置等のため、隔離が必要な場合

また隔離は精神保健指定医しか行うことができないと定められていて、(12時間を超えない場合は一般の医師でも可能である)あくまで患者の保護や医療を保証するために行うやむを得ない制限であり、制裁や懲罰的に行われることは認められていない。(これも医師の恣意的な要素があったりするのはまた別のお話)

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身体拘束って?(精神科の場合)

精神保健福祉法第36条第3項の規定にて、自殺企図または自傷行為が著しく切迫している場合など、精神障害のために放置すれば患者の生命にまで危険がおよぶ恐れがある場合に限定して、精神保健指定医の診察を経て、行うことが認められています。

措置入院、緊急措置入院、応急入院、医療保護入院の患者に対して行うことが想定されているが、任意入院でも退院の申し出がない限りは行ってもただちに違法ではないようです。

ちなみに厚生労働省では以下の11種類が身体拘束・抑制にあたるとしています。(なお一般の方にもわかりやすい言いまわしに変えています。原文のままだと医療用語というか専門用語が多くて読めない漢字も多々あります(泣))以下は特定非営利活動法人 全国抑制廃止研究会からの引用です。

1,歩き回らないようにベットや車椅子に胴や手足をひもなどで縛り、歩けなくする。
2,ベットなどから転落しないようにベットに胴や手足をひもなどで縛り、動けなくする。
3,ベットの周囲を柵などで完全に囲んだり、高い柵を使用するなどして自分では降りられないようにする。
4,点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、手足を縛ってしまう。
5,点滴や、鼻やおなかなどにつける栄養補給のチューブなど治療のための器材を自分で抜かないように、あるいは皮膚をかきむしらないように、指を思うように動かせなくするミトン型の手袋などを使う。
6,車椅子やいすなどからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型の専用ベルト、腰ベルト(紐)などで車椅子・椅子に縛りつけたり、胴にぴったりと密着するテーブルをつけて立ち上がれないようにしてしまう。
7,立ち上がる能力のある人を、座面を大きく傾かせたりする椅子に座らせるなどして立ち上れないようにする。
8,服を自分で脱いでしまったり、おむつをはずしたりしてしまう人に、介護衣(つなぎ)とよばれるような、自分では脱ぎ着ができない特殊な服を着させる。
9,他の人に迷惑をかけないように、ベットなどに胴や手足をひもなどで縛る。
10,興奮したり、穏やかでなくなったりした人を落ち着かせるために、鎮静させる効果がある精神に作用する薬(向精神薬)を過剰に使って動けないようにしてしまう。
11,鍵をかけるなどして自分では空けられないような部屋に閉じこめる。
10番と11番はそれだけで拘束じゃね?とツッコミたくもなりますが。。。

参考:精神科以外の隔離

(結核とかインフルエンザのような感染症が多いかな?)
具体的には感染症法の定める感染症の患者を収容し、一般病棟などへの感染を抑制するための、感染症法に基づく感染症指定医療機関に設置される特別な病棟です。ざっくりいうと大学病院とか公立の大きな病院といったイメージでしょうか?そもそも隔離病棟にいる患者は動くことすらままならず、感染拡大を防ぐためにその治療にあたる医療従事者を隔離しているというな状況であるともいえるでしょう。

精神科以外での隔離病棟は大きくわけて次の目的で設置されます。
疾病により免疫力が落ちている患者を収容する場合である。患者の体力(免疫力)が戻るまで無菌室に隔離されて、他の感染症に感染しないよう保護されます。大雑把に言えば救急救命センターなどの集中治療室がこれに該当します。 感染拡大の恐れがある疾病に感染したときに入れられる場合です。もっと身近な例でいえばインフルエンザが疑われる小児が個室の待合室に隔離されるのもこれに相当します。参考までに下記に感染症の例を挙げておきます。

1) 一類感染症(感染力、重篤性等を総合的にみて、危険性の極めて高い感染症)エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、ラッサ熱、マールブルグ病。患者は特殊感染症病棟に隔離されます。
2) 二類感染症(感染力、重篤性を総合的に見て、危険性の高い感染症)急性灰白髄炎(ポリオ)、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフス。患者は特に他に感染させる恐れがない場合には原則として隔離しません。隔離する場合は患者の同意が必要です。患者の家などの消毒は市町村が行い疫学調査は必要に応じて保健所が行います。
3) 三類感染症(感染力、重篤性を総合的に見て、危険性は高くないが、特定職業への就業により集団発生を起こし得る感染症)腸管出血性大腸菌感染症(O-157とか)。患者は特に他に感染させるおそれがない場合を除いては就業禁止措置や隔離をしない。患者の家などの消毒は市町村が行い,疫学調査は必要に応じて保健所が行う。
4) 四類感染症(国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般国民や医療機関等に提供していくことにより、発生や拡大を防止すべき感染症)インフルエンザ、ウィルス性肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症、性器クラミジア感染症、梅毒、麻疹、マラリア、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、その他感染症。(厚生省令によって決めてあるものがあるのですがここでは略します)患者に対して特別な行政措置は行わない。
5) 指定感染症(一類~三類感染症に準じた対応の必要が生じた感染症)
政令で一年間に限定して指定した感染症。
6)新感染症(既知の感染症とは明らかに異なり、その伝染力、重篤度から判断して危険性が極めて高い感染症)
1.「当初」厚生大臣の技術的指導・助言を得て都道府県知事が個別応急対応する感染症
2.「要件指定後」一類感染症と同様に扱う感染症(一年以内の政令で定める期間延長可)

なお上記はあくまでも一般論的なお話になります。なので「閉鎖病棟に二度と入りたくない!」とか「入院してよかった」と言った体験談や感想などは別の記事にします。でないと長たらしいので。。。

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