1時間半寝る予定が
私がまだ40代半ばだった頃のこと、休前日の金曜の夜に職場の仲間たち数人と居酒屋から始めて派手に飲み歩いた後の帰り道は東の空が薄っすらと明るくなるくらいの時刻でした、夏なので夜明けが早いとはいえ明け方の帰宅で私はぐったり疲れていました。普段ならそのまま歯磨きでもして好きなだけ眠ってしまうところですがその日はそうはいきません、なぜなら土曜日の昼前に近くのシネコンで映画の予約をしていたからです。
私は目覚し時計の代わりに古い折りたたみの携帯電話を使っています、曜日や時刻など幾通りもの設定が可能なので便利なのです、そこへ土曜の朝6時半にアラームが鳴るように設定し90分ほど眠ることにしました、以前テレビで睡眠時間90分単位での目覚めはすっきりとしていると何かの番組で言っていたからで、私はそれを実践してみたのです。頭の中では90分だけ眠って頭をすっきりさせ、軽く朝食をとってシャワーを浴び、ゆっくりと出かければ映画が始まる時刻より少なくとも1時間は余裕があるので久しぶりに雑貨店めぐりでもしようか、あるいはコーヒーショップでぼんやり過ごそうかなどと計画を立てていたのです。
私はソファーに横になり腕を伸ばして目覚まし代わりの携帯電話をテーブルに置いたところですぐに眠ってしまったようです、なぜなら次の記憶は目が覚めた時のものでだからです、しかもハッと飛び起きるような目覚めかたの記憶です。
映画館の予約が台無しに
私は思い切り熟睡してしまいました、90分どころではなく寝過ぎてしまったのです、目が覚めたのはなんと午後2時過ぎ、設定のミスかと思い携帯電話を見てみると1分おきに5回鳴るスヌーズ機能も使い果たしていました。私は最大音量で繰り返し何度も鳴る目覚まし音を物ともせずに眠り続けたのでした。もちろん予約していた午前11時台の映画の時間は過ぎていたので予約で支払った料金も全くの無駄、9時間以上も眠り続けたので体と頭の疲れは失せてすっきりしてはいましたが、なんだか休日を1日台無しにしてしまったような喪失感でブルーになってしまいました。
結局、その日は部屋の掃除をし、近所のリサイクルショップに冷やかしで入り、立ち寄ったスーパーでは夕食の食材やスナック菓子を買い求めて帰宅するだけの休日となりました。もっと若い頃ならばそんな失敗などしなかったかもしれません、体力的にもう無理はできないなと思うと共に、それ以後は休前日とはいえ酒はほどほどに留めるようになりました。
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