明日はデートで寝られない
まだ、二十代の頃の事です。その日、私はかなり寝られませんでした。なぜかというと、アルバイト先の先輩からデートに誘われていたからです。とても素敵な人で、映画の趣味が似ていた事から、一緒に最新作のアクション映画を観に行く約束をしました。お付き合いを始めてから一ヶ月しかたっていなかったので、私はかなりドキドキしていました。
もし、今回のデートで何か失敗したら、もうお付き合いは出来ないだろうと思っていたんです。私は前の日からお弁当用のおかずを用意したりして、準備万端でした。目覚ましをセットし、念のため母にも起こしてくれるように言ってから眠りにつきました。が、寝れない。そう、寝れないんです。寝なきゃ、寝なきゃと思うのに、どうしても眠れないんです。
時計を見ると、もう日付も変わっていて、どうしたら良いのだろうと思いながら寝返りを打ち続けました。やがて時計は夜中の二時。私は諦めました。もう、このさい起きていた方が良いのではないかと思いました。だって、どうせ寝たって起きる時間は5時。すぐに起きなくてはいけないんです。それならそれで、起きていた方が安心なのではないだろうかと思いました。そう思うと人間は不思議なもので、なぜか眠たくなるんです。ついつい、ウトウトと眠ってしまったんですっ。
気づいたら思いっきり寝坊
ハッと目が覚めた時に時計はっ、と見てみると既に8時を過ぎていました。本当に、漫画のようにサーッと血が下がる音が聞こえたような気がしました。私は思わず母に文句を言っていました。あれだけ起こしてくれと言っておいたのにと言えば、母からの答えは、何度も起こしたのに起きず、時間には間に合うと言っておいたそうです。全ッ然 、気が付かなかった。
私は取り合えず先輩に電話をかけて謝罪しました。先輩はもう待ち合わせ場所に来ているらしく、待っていると、言ってくれました。さぁ。ここからが大変ですっ。取り合えずお弁当用に作っておいたおかずをお弁当箱に詰めて、慌てて家を出ました。何度も道を間違えながら、なんとか待ち合わせ場所に、ついたのは昼の3時。当初の約束した時間からはもう4時間もたっています。
携帯電話にかけてみると、なんだかとても近くで聞こえるんです。顔を上げると、少し不機嫌そうな先輩が立っていました。私は、なんとか許してもらおうと謝りました。すると、先輩はしかたなさそうに、許してくれました。何度か寝坊をした経験はありますが、こんなにも焦ったのはこの日が初めてでした。
- 上記の記事はあくまでも個人の感想であり効果や効能を示すものではありません。
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